チーズ工房が企画・制作した
『チーズバット&温水循環システム』
なぜ、チーズ工房が手掛けるのか?
これからチーズ作りを始めたいという方の多くが、設備面でのハードルの高さを感じているのではないでしょうか?
チーズ工房トリデンテも、創業の際は
- チーズバットをどうするか?
- どうやって温度調節をするか?
- これらを、いかに安価に調達するか?
- どうやって、低ランニングコストで運用するか?
といった点が、特に大きな課題でした。
そして悩んだ末、出した答えが
【チーズバットをオリジナルで製作し、温水循環システムも独自に開発する】
という選択でした。
様々な工夫を凝らした結果、両者の導入は思いのほか上手くいきました。
そして、トリデンテの工房を見学した方や、その口コミ等で、他の工房からも導入の依頼を受けるようになっていきました。
※2024年2月現在、Tridenteオリジナルの「チーズバット&温水循環システム」は、国内外、22カ所のチーズ工房で運用されております。
導入事例を重ねながら、【チーズ作りに携わる当事者ならではの視点】を盛り込み、 よりシンプルに、より使いやすく、より安価に導入可能なよう、改良していきました。
そして、2020年12月、これまでのノウハウをまとめ、規格化し、 HP上にて『チーズバット&温水循環システム』の紹介ページを開設することといたしました。
このことが、これからチーズ作りを始めたいという方の、問題解決の糸口になれば幸いです。
コンセプトは「シンプル・イズ・ベスト」
小規模工房のための、シンプルにチーズを作るアイデア。
シンプルだからこそ、設備投資とランニングコストを低く抑えることができます。
トリデンテが提案する「チーズバット&温水循環システム」を上手く使うことで、「貯乳設備が不要」となり、「殺菌設備が不要」となり、「冷却設備が不要」となります。これにより、かなりのコストダウンが可能となります。
また、「攪拌装置を使わない」ことで、チーズバット周りはとてもスッキリとしています。
1.貯乳設備が不要
「生乳が届いたら、すぐに製造スタート」
たったこれだけのルールにすることで、貯乳設備を持つ必要がなくなります。
小規模工房にとって、貯乳設備は場所をとるだけでなく、設備導入費用・ランニングコストもかさみます。
また、設備の洗浄やメンテナンスにかかる時間も削減することができます。
生乳搬入時、ホース等で直接チーズバットに入れられれば、工程もとてもシンプルです。
2.殺菌設備が不要
このシステムでは、チーズバット自体をパステライザー(殺菌機)として使用するため、 専用の殺菌設備が不要となります。
殺菌温度は、63度(30分保持)を前提としています。
これは、大掛かりな蒸気ボイラーを使わなくても、家庭用の給湯器で十分実現可能な温度です。
※ただし、温水循環システムに使用できる給湯器は、一部機種に限られます。
3.冷却設備が不要
温まった生乳と水道水(又は井戸水)との熱交換をすることで冷却するため、 「冷却=水道をひねるだけ」という、とてもシンプルな構造です。
トリデンテのチーズバットの内部構造は、比重が大きい(重い)低温の水は底から溜まっていき、 比重の小さい(軽い)お湯を上部から押し出すことで、効率的に冷却する事ができる仕組みになっています。
4.攪拌装置を使わない
小規模工房にとって、攪拌装置はそれほどメリットが高くないのではないでしょうか?
殺菌のための加温時、生乳を攪拌する必要があるのは、数回×数分程度ですし、 小規模工房で使うチーズバットのサイズ(100L~800L程度)では、パドル等で十分に隅々まで届きます。
また、カードを攪拌する際も、機械任せにせず、微妙な変化を感じ取りながら、手作業で仕上げていくのも 品質重視の小規模チーズ工房ならではの醍醐味です。
攪拌装置には保管場所・メンテナンス・機器の洗浄等、様々なデメリットもあります。
トリデンテのチーズバットは、攪拌装置を使わないことを前提にしています。
チーズバット納入事例
チーズバットオプション一覧
専用フタ
- 分割式アルミ板
- 2〜4分割
自記温度計ホルダー(各サイズ共通)
- チーズバット側面に脱着可能
※自記温度計本体は含まれません
- チーズバット側面に脱着可能
専用カードナイフ(一枚板型)
- ピッチ:25mm以上で指定可
- 二枚組(横カット・縦カット)
- 専用サイズで、ぴったりカット
専用カードナイフ(丸棒格子型)
- ピッチ:15mm以上で指定可
- 二枚組(格子カット・縦カット)
- 専用サイズで、ぴったりカット
チーズバット規格サイズ一覧
規格サイズ (全容量) |
MAX 製造量 |
タイプ | 外寸(配管等の突出部除く・足含む) | 本体価格 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
150Lサイズ | 130L | スクエア | 幅:660mm | 奥行:660mm | 高さ:800mm | ASK |
200Lサイズ | 170L | スクエア | 幅:740mm | 奥行:740mm | 高さ:800mm | |
長方形 | 幅:1000mm | 奥行:560mm | 高さ:800mm | |||
250Lサイズ | 220L | 長方形 | 幅:1080mm | 奥行:600mm | 高さ:820mm | |
長方形 | 幅:1080mm | 奥行:600mm | 高さ:820mm | |||
300Lサイズ | 260L | スクエア | 幅:860mm | 奥行:860mm | 高さ:820mm | |
長方形 | 幅:1180mm | 奥行:640mm | 高さ:820mm | |||
350Lサイズ | 310L | スクエア | 幅:920mm | 奥行:920mm | 高さ:820mm | |
長方形 | 幅:1280mm | 奥行:700mm | 高さ:800mm | |||
450Lサイズ | 400L | 長方形 | 幅:1440mm | 奥行:780mm | 奥行:780mm | |
550Lサイズ | 500L | 長方形 | 幅:1540mm | 奥行:840mm | 高さ:820mm | |
850Lサイズ | 770L | 長方形 | 幅:2100mm | 奥行:920mm | 高さ:820mm |
【付属品(全サイズ共通)】
・サニタリーバルブセット(ホエー排出口に接続)
チーズバットオプション一覧
オプション名 | 仕様・備考 | 価格 |
---|---|---|
専用フタ(150~350Lサイズ用) | ・分割式アルミ板 ・2~3分割 |
ASK |
専用フタ(450・550Lサイズ用) | ・分割式アルミ板 ・3分割 |
|
専用フタ(850Lサイズ用) | ・分割式アルミ板 ・4分割 |
|
自記温度計ホルダー(各サイズ共通) | ・チーズバット側面に脱着可能 | |
専用カードナイフ(一枚板型) | ・ピッチ:25mm以上で指定可 ・二枚組(横カット・縦カット) ・専用サイズで、ぴったりカット |
|
専用カードナイフ(丸棒格子型) | ・ピッチ:15mm以上で指定可 ・二枚組(格子カット・縦カット) ・専用サイズで、ぴったりカット |
チーズバット温水循環システム(配管セット)
仕様・備考 | 価格 | |
---|---|---|
【物品類】 ・ステンレス製ボールバルブ:5組 ・真鍮製ホース継手:6組 ・その他ステンレス製配管部材:20~30点 |
・耐熱ホース:10m以内 ・温水循環ポンプ本体 |
ASK |
【作業内容】 ・ヘッダー(配管操作系)の組み上げ ・ポンプ電気配線(スイッチ&プラグ) |
・ポンプ専用架台(室内用)の製作 | |
・システム稼働コンサルティング(配管セット以外の施工についてのアドバイス)
|
チーズバット温水循環システム(配管セット)について
- 蒸気ボイラーではなく、一般的な給湯器を熱源として使用可能にすることで、イニシャルコスト、ランニングコストを大幅に下げることができます。
- 簡単に設置できるよう、複雑になりがちな配管を、極力シンプルにしました。
- どこで誰が設置しても、配管の効率が確保され、ポンプや給湯器の能力を出来るだけ引き出すことができます。
また、メンテナンスもしやすい設計です。 - あらかじめ配管を組んで送ることで、設置場所での工事を極力省くことができます。
また、工事の簡略・短縮・低コスト化が期待できます。
セットに含まれないもの
(専門業者様にご依頼下さい。業者様との打ち合わせや施工内容指示は、配管セットのコンサルティングの項目に含まれます。)
- 【給湯器本体や、その設置工事】
給湯器はチーズバットの温水循環に専用のものとして下さい。
(機種の選定はアドバイスさせて頂きます。) - 【給湯器の配管(INとOUTの2本)】
配管セットの指定個所にそれぞれ接続して下さい。 - 【給水からの配管】
給水からの分岐を、配管セットの指定個所に接続して下さい。 - 【配管保温工事(寒冷地)】
寒冷地の場合、凍結防止のため保温工事が必要です。
※配管する際には注意事項がありますので、必ず依頼される業者様と打ち合わせをさせて下さい。
配管の径や種類によって、配管効率が著しく落ちる場合があるので、注意が必要です。
設置場所で必要な作業
チーズバットを稼働するためにご自身で必要な作業は、以下の通りです。
(自信のない場合は、専門業者様へご依頼ください。施工内容を指示させて頂きます。)
- チーズバットへの接続(3カ所)・・・管を大きめのレンチで回すだけです。
- 耐熱ホースのカットと接続(6カ所)・・・ホースは簡単に繋げられます。
- ヘッダー(操作系)の取り付け・・・ネジで壁に取り付けます。(壁の強度に注意)
- ポンプのスイッチ取り付け・・・スイッチBOXを壁に取り付けます。
- その他、上記「セットに含まれないもの」の作業内容
※上記作業を行うのが不安な場合、給湯器を設置する業者様に、合わせてご依頼下さい。
ポンプに関して
- 簡単に設置できるよう、専用の架台を準備しました。
また、ポンプにはあらかじめ電気配線を施してあり、電気配線工事は不要です。 - 壁にスイッチBOXを取り付け、電源コンセントにプラグを差し込むだけで、直ぐに使用することができます。
(必ず、循環配管に水が入った状態で、循環可能な状態で稼働して下さい。) - スイッチBOXは、消し忘れや誤作動予防のため、ONの時に光るようにしてあります。